THE ポッシボー写真集にまつわる話(ようやく本題)

ここからはいぬいぬさんへのトラックバックレスから離れた、私独自の考察を徐々に深めていきます。長くなるので途中で畳みます。

いぬいぬさんの指摘を踏まえつつ、改めて『BOMB』2007年8月号のTHE ポッシボー写真集、すなわち

「ドキ☆ドキ☆ポッシボー」―THEポッシボー写真集

「ドキ☆ドキ☆ポッシボー」―THEポッシボー写真集

「キャピ・キャピ・ポッシボー」―THEポッシボー写真集

「キャピ・キャピ・ポッシボー」―THEポッシボー写真集

からの先行グラビアをチェックしていて気になったのが、1ページ目のタイトル/リードに太くでっかいピンクの活字で書かれたユニット名の下に、サイズの小さな黒い太字の書体でさりげなく添えられた「つんく♂プロデュース」の文字。

いや、そんなの別に当たり前の話じゃないか…とハロヲタTNXヲタの皆様方は思われるでしょうけれど、でもこのさりげなくもわざとらしい強調は何か気になる訳で(^^;)。

でまあ、このページから始まる3ページのグラビアは、発売直前の先行(宣伝)グラビアとしては至って王道の作りで、それ自体はまあどうって事のない普通の水着グラビア+本人たちのインタビューでしかありません。

問題はその次のページ。つんく♂自身が登場してインタビューに答えているんですが、そこで自分自身の『ボム!』読者体験*1を告白した後に、彼のコメントはこういう風に続くのですね。

●今回のポッシボーの写真集は、僕も写真のセレクトから構成まで関わってるんだけど、学研から'84年に出た菊池桃子写真集『きみに瞳ボレ』をリスペクトした部分もあるんですよ。僕、初版本を持っていますから(笑)。実際にスタッフにも見せました。”これよりいきすぎず、いかなすぎず”、この配分が実にミラクルなんですよね。

これを踏まえると、1ページめにわざとらしく添えられた「つんく♂プロデュース」の真の意味が改めて見えてきた訳です。被写体の女の子たちだけが「つんく♂」に「プロデュース」された存在なのではない、写真集それ自体がそういう位置づけの作品/商品なんだよ…という主張をしたいのではないか、それが学研サイドとつんく♂TNXサイトの(おそらくは最後発である事を意識した上で)打ち出した今回の写真集の既発の作品との差別化のポイントなのかな…そう思った時に、改めてハロプロにおけるこれまで発売されてきた写真集と、それがハロー!プロジェクトとそれを支持するヲタに何をもたらしたのか、という事について改めて考えてみたくなったのです。

そうして考えてみた結論としては、
「提供する側もされる側も『どうせ副業だから(本業じゃないから)』と始めた(そして継続と拡大を安易に続けた)事が、もしかしたら良くない事だったのではないか?」
という事です。という訳で、ここからようやく本題なのですが、またそれ故に長くなるのでこの先は隠します。

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これまでに複数の出版社から数多くのハロプロメンバーをその被写体とする「写真集」と銘打たれた書籍が出されてきています。Wikipediaにそれらをまとめた一覧表が掲載されている事も既に述べた通りです。

私はそのすべてを所有している訳ではないのですが、でも振り返ってみると、私が所有している範囲のそれ*2に限っても、確かにそれらの作品には「つんく♂プロデュース」とか「Produced by つんく♂」というクレジットを見た記憶は皆無です。

それは言い換えればこういう事になりますよね。被写体になっているのは「『つんく♂プロデュースの歌手』である女の子(たち)」であっても、写真集そのものは、事務所であるUFA(+UFW)サイド上層部の協力と要請の元、あくまで出版社と撮影者が作っているのであって、その制作の場にはつんく♂はおそらくまったく関わらない形で作られている作品であり商品であった可能性が高いという事です。

仮にもしそのクレジットがあったとすれば、それはいわゆるライブ写真集の類か、もしくはモーニング娘。のユニット本体の写真集のごく初期のものぐらいではないかと思います。まず前者については、私の手元には実は1冊しかなくて、それは

なのですが、こちらの最終ページの4つのブロックからなる*3スタッフクレジットには、その3番目の「Hello!Project STAFF」の中に「Producer TSUNKU♂」の表記があります。しかし、4番目の「BOOK EDITORIAL」のところの「Producer」のところにあるのは版元の竹書房の担当者の名前です。つまり、つんく♂自身はコンサートそのものには関わっているけれど、この写真集(ムック)の中身についてはさほど深くは関わっていないだろうと考えるのがまあ正解ではないかと思います。

一方、後者に関しては、私の手元には実は一冊もありません*4。というのは、私自身はデビュー当時はどちらかと言えばモーニング娘。に対してはその将来性・継続性に懐疑的な立場であり、一応レンタルor中古品購入で曲は聴いてはみるけれどそれ以上は肯定的関心は持てない(ましてや特定の個人を推すなんて気分にはとてもなれない)という冷ややかな眼差しで彼女たちを見ていたのです。

そんなノリでしたから、当然、オリジナルメンバー5人や2期メンバーを加えた8人の時代の写真集なんてものは、リアルタイムでは買おうとは思わなかったのです。同じ価格であれば、別な人の写真集の方を買う…当時の私にとってのモーニング娘。とは、歌手としては勿論それ以外の部分でもまだ「アイドル」ではなかった(それに近いところにいたけど、でもあくまで「似て非なるもの」だと思っていた)訳です。

勿論、この時期の「モーニング娘。写真集」の類は当然現在のものよりも多い部数が刷られていたでしょうし、その分今からでも私の様な地方在住者であっても、ネットオークションに頼らずとも新古書店等で安価に入手することは可能でしょうが、まあ歴史の検証調査のための文献資料(笑)としてであっても、そこに僅かとはいえお金を投じるのは、引きこもりニートのなれの果ての貧乏40歳台独身童貞不能(マテ)男である身には、いささかためらわれるところではあります。

#本日のところはここまで…かな。

*1:「BOMB」という雑誌は元々芸能人・有名人内アイドルファンにこういう事を語らせたり、時にはコラムや対談の連載をやらせたりする事を繰り返しやってきているのは良く知られているところです。つんく♂さんの同業者(に近いところ)では、約10年ほど前(になるんだねぇ)の大槻ケンジの対談連載を覚えている人も少なくないでしょう。

*2:今回初めて数えて見たら、ムックも含めれば50冊を超えてました(汗)。

*3:「CAST」「TOUR STAFF」「Hello!Project STAFF」「BOOK EDITORIAL」の4つで、すべてローマ字/英文表記です。

*4:そもそも50冊以上持ってる癖に、実はユニット本体の写真集は角川(ザテレビジョンキッズネット)で出した「アロハロ!」シリーズの2冊しか持っていなかったりします。